杵の使い方は案外難しいもの。
力任せに縁を叩いて杵を割って壊してしまったり、臼の縁に傷をつけてしまったりというトラブルを防げます。
おもちをこねる方法
こねるときの杵の持ち方は両手を「ギュッ」。
普通、右利きの場合は、右手は柄の先側、左手は柄の末端を握ります。左利きや右利きでも好みのより手を逆にしてもOKです。手が滑るようなら水で少し湿らせてシッカリと握ります。
もちをこねるときは全体重を掛けて。
体重を掛けてもち米をつぶします。もち米が一通りつぶれるくらいこねます。杵をこじるようにしたり、臼の周りを回りながらやるとお米全体をつぶしやすいでしょう。かなり力のいる作業ですので大変ですが、大切な作業です。こねが足りないとついたときにもち米飛び出してしまいます。
こね5割、つき5割が目安。
こね5割、つき5割を目安にこねてください。なかにはこねてほとんどおもちの状態にしてしまい少しついて終わり、なんていう人も。
2人でこねるととても早い。
2人で一緒に向かい合ってこねると早くて楽にこねられます。2人でお米を押すようし、回りながらこねていきますので、お餅がまとまりこねやすくなります。杵が2本必要ですが、大人用と子供用の組み合わせでもできます。大きい臼なら3人でもOK。
おもちをつく方法
杵の持ち方は先側の手は「ユル~」、元側の手は「ギュッ」。
振り回すバットやゴルフクラブとは異なり、落とすように使う鍬(くわ)を使うような感覚です。持ち方は右手を先側でも、左手が先側でも構いません。先側の手では柄をゆるく握り、元側の手ではしっかりと握ります。慣れた人ほど先側の握りがゆるいものです。
逆手で持ってみると上手くつけることも…。
右利きの場合、右手を柄の末端を握り、左手を先側とした方がつきやすい、という人もいます。利き手で柄の末端をしっかりと握り、利き手でもちをつくような感覚です。もう片方の手は補助。バットやゴルフクラブとは逆手ですが、私自身もそのように杵を持つひとり。試してみてください。
杵は「落とす」感じで(右は上手い使い方)。
杵は振りまわすのではなく、杵の重さを利用して落とすようについてみてください。楽なだけではなく、真ん中のストライクゾーンを外さずにつけるので、臼の縁を叩くことも少なくなります。杵の重さや力が足りないと感じたら、先側の手で投げ落とすような感じで勢いをつけてつくようにします。
杵を振らない(右は下手な使い方)。
杵を振り回すと真ん中に当たりにくく、臼の縁を叩きやすいのでやめましょう。バットやゴルフクラブのように両手で柄を強く握っていると振り回してしまいます。柄側の手をゆるく握るコツをつかめば簡単ですので、練習してみてください。
おもちをつくときの注意
おもちは「ペッタン」とつく。
杵を強く振りすぎると「ゴン」「ゴン」という音がします。勢いがあって良さそうですが、これは臼を叩いている音。臼も杵もすぐに傷んでしまいます。やはりおもちは「ペッタン」「ペッタン」という音がするようにつきましょう。お年寄りの方が若い人よりもつくのが上手いものです。
臼の縁を叩かないように。
杵で臼の縁を叩いてしまうことがよくあります。臼を傷つけたり、ひどいときには内縁が欠けてしまうことがあります。さらに杵先が欠けたり、割れてしまい壊れて使えなくなることもあります。杵先が割れてしまうと修理不可能ですので、ご注意ください。